お年寄りは、終活もだけれど、脳活つまり脳を活性化して生き生きと暮らしたいと思っている人が多いでしょう。
脳を活性化して元気に暮らしていくためにはどうしたら良いか?考えてみました。
脳活というと、百ます計算を思い浮かべる人は多いでしょう。
『脳活アプリ』をうたうアプリも同じような計算とかパズルが多い。
でも、こういった代物は「慣れてしまったら」 いくらやっても、少なくとも脳血流は増えないのです。
有名な養老孟司氏も「百ます計算は上手くなるだろうが…」と言っています。
だから、やったことが無い人がやってみるのは悪いことでは無いでしょうが、慣れてスラスラできるようになってしまったら脳は大して働かないのです。
つまり、上手くできるようになってしまったら、それ以上やっても惰性でやっているだけでほとんど意味は無いのです。
囲碁は『頭脳のスポーツ』です。日本以外では。 体を動かす運動競技をスポーツだと思っているのは日本人だけなのです。
以前、近赤外光を使って脳の血流を調べる事ができる事が話題になりました。囲碁は、格好のテーマとしてとりあげられたものです。(将棋については聞いた事が無いです。世界では相手にされていない日本だけのローカルゲームだし。)
その当時、プロが囲碁を打っている時の脳血流の変化を調べた公開実験が有って、私は現場でその様子を直に見ました。
若手の囲碁のプロが、脳に近赤外線の検出器を数多く取り付けて対局中の脳血流の変化を調べたのです。
序盤は、打ちなれた『布石』を まあ その時の気分で並べていただけだったのでしょう。
脳血流は増えるどころかかえって少なくなっていました。
序盤は「気分を落ち着かせる」ためにそれほどの工夫をせずに打つことが多いようです。 プロは、序盤についての工夫は対局以外の『研究』でするのです。
が、中盤の 石がくっついてきた 誰も打ったことが無い局面になると急激に血流量が増えて来ました。脳はフル回転して、何手も先までの変化を「読んで」いたのでしょう。
囲碁は、将棋の10の300乗倍(つまり1の後に0が300個並ぶ)複雑なので、将棋と違ってそう簡単にはAIが人間を超える事はできないだろうと考えられていたくらいなのです。
AI研究の世界では、チェスの次は囲碁で、そのためにGoogleのアルファ碁が開発されました。Facebookのメタ社も囲碁AIを開発していたのです。
閑話休題 中盤以降は誰一人経験した事が無い問題を自分で解決していかなければならないのです。それはアマチュアでも同じ事です。
これが、「頭を使う」ということなのです。百ます計算をいくらやっても、囲碁のプロが序盤で打ちなれた布石を打って「気分を落ち着かせている」状態と大差無いでしょう。
脳を活性化させて生き生きと行きたいものです。 つまり ”脳活”
”脳活”にはどんな事が良いのでしょう?
体を動かすのも手を動かすのも良いらしいけれど…
次回以降、いろいろと考えてみましょう。
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